手術当日

手術当日


午前6時、目が覚めた。
朝ごはんがないから起きてもやる事がない。
仕方なくTVでも・・・・と見ていた。スピーカーから私を呼ぶ声が聞こえた。
「るんばママさーん、8時ごろに浣腸しますからねー」
だって・・・
浣腸。ヤダヤダ・・・・とは言っても、みんなしてるんだから、看護婦さんにとってはケツの穴見るのはなんてことないんだ・・・・と思えばわりきれる。
午前8時、時間通り浣腸のお誘いがあって、浣腸室(そんなトコないんだけど)に行った。
「じゃあ、ここにヨコになって、ズボン下げてこっちにおしり向けてくれる?」
看護婦さんに言われるがまま素直にズボンを下げた・・・・のに、
「ちょっ、ちょっと待ってて・・・・」と言って部屋を出て言ってしまった。
丸出しのおケツがスースーさぶい。
少しして、看護婦さんが戻ってきて、おケツに浣腸終了。
ナマあたたかーい液体がジワジワーっとしみ込んできて、気持ち悪い。
「我慢できる所まで我慢してね・・・」
と言われて、浣腸室を出た。
我慢なんてできる訳ない。早速モヨオシテきて、トイレへ・・・
完全に出たのか、どうなのかは不明だけど、なんだかものすごくスッキリした気分。
その後すぐ、先生が部屋に来た。
「どうですかー。お腹張ったり、痛かったりしますか」
そう言えば、なんとなく痛いような気がしたので
「うーん、ちょっと痛い気がしますけど・・・」
「じゃあ、もしかしたら陣痛かもしれないから、後で診察しますね」
と言って出て行った。
お腹すいた。何か食べたい。夕べもっと食べておけばよかった。
午前10時、悌毛だ。背中から、お腹から、下の毛までつるんつるんに剃っちゃうんだよー。これこそ、浣腸よりイヤだ。
ズボンと下着を脱いで、マヌケな姿。
看護婦さんがシェーバーでジョリジョリとやってしまった。私の毛・・・・さようなら・・・
済んだ後、気になる部分をさわってみた・・・・な、ない。全然ない・・・・と思ったら3本くらい残ってた。うれしくもなんともない。中途半端に残してくれるなよー。全部いっちゃってくれればいいのに・・・・と思って自分で抜いてやろうとしたけど、痛かったからやめた。悌毛終了。その後シャワー。しばらく入れないから丁寧に洗った。
午前10時半、診察のため、一階にある診察室へ・・・・途中、旦那と出会った。
面会は午後からなんだけど、いてもたってもいられなかったみたいで、来てしまった。
「これから診察だから部屋で待ってて・・・」
と言って私は診察へ。
内診台にあがった。そういえば悌毛したんだー。先生、どう思うんだろう。3本くらい残ってるけど・・・・そんな事を考えていた。
「るんばママさーん、子宮口は全然です。陣痛じゃなかったみたいですね」
私の勘違い。想像妊娠ならぬ、想像陣痛でした。
「予定通り、午後1時半ごろから手術をしますから・・・・」
と先生は言った。
病室に戻って、パジャマから、ネグリジェみたいなお産用のパジャマに着替えた。
旦那と少し話してたら、点滴を持った看護婦さんが現れた。
「手術前の点滴を始めますね。」
と言って、手の甲の血管に針を刺した。痛いっ。こんなとこに入れられるのは初めて・・・しかも、しばらく刺しっ放し。何日も・・・だから動いても痛くないような太い針。痛いモンは痛いのに・・・
正午、旦那はご飯を食べに行ってしまった。動けないから退屈。
手術までにあと1時間になったころ、お母さんが来た。そして、旦那が食事から戻ってきて、義母が来て、姉が来た。狭い病室が人だらけになってしまった。
午後1時半、予定の時刻なのにお迎えがこない。待っても待っても来ない。
出産が重なったらしく、バタバタしてるのが分かった。
そして、午後2時半、1時間遅れでお迎えが来た。
「行って来ます」
「いってらっしゃい」
でお見送り。
点滴を持って手術室へ向かった。

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